命の価値と家柄と
「コーヒーで一服だケロ」
ケロリーマンシリーズは描いててとても和んでくるので好きです(笑)
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今日は私が今のようになるまでの話を少ししようと思います
私の初めての記憶は、狭いアパートだったと思います。
両親が最初に過ごしていた場所、それがそこでした。
元々両親は、母方の母親(私にとっての祖母)が時代に反して家柄に厳しく、父方の家柄が良くないと言い、2人の交際・結婚に非常に反対をしていました。
その結果の両親の反応はーーー…
駆け落ちです。
そんなこんなで母は私の兄を身篭ったのですが、私に兄はいません。
父曰く「お前の兄ちゃんはあのババア(祖母の事だと思います)に堕ろされた」と背中を向けたままぽつりと呟くように言ったその言葉を、大人になってから聞いたことがあります。
少し物悲しく聞こえたその言葉の重さは私にじわりと染み入って来て、なんとも言えない気持ちを残していくのに充分でした。
家柄が、と祖母は拘っていたのですが、それが本当に良い事なのか。
私には祖母の気持ちは今となっては解りません。
生まれてきた私に何度も、お前の父の家柄は~、私の家の家柄は〇〇の末裔で~、など、そのような話を何度もされたこと覚えがありますが、その家柄とやらが誰かを救えるのだろうかと思ったことも何度もあります。
それが、誰かを幸せにしたのだろうか。
そう、本当に。
本当に何度も、反復するように、反芻するように思い続けた記憶があります。
そして私は心を壊した
私は祖母を1人にしていたら可哀想だからと、母に祖母の面倒を見る係にされたことがあるのですが、先程言ったように毎日呪詛を吐かれるように家柄家柄と言い続けられました。
えった、ちくしょうので、うまのほね、ひんみんくつ、おまえのはははそんなやつにはらまされた。
これだけの言葉の羅列だけで、どれほどの酷い言葉をぶつけられ続けてきたのかが分かると思います。
それを家族の事だからこそ、そんなふうに言うのはやめて欲しい。と何度も祖母に訴えかけたのですが、彼女はやめてはくれませんでした。
当の私ではなく、家族を悪く言われる。
そして何度もしつこく繰り返される明らかな侮蔑。
その、異様な執念とも思えるほどのしつこさに私の心は次第に壊れていきました。
やめて欲しい。止めて欲しい。言葉を聞きたくない。
ですが、祖母の面倒を見て欲しい。そう言われたせいで逃げる事すら出来なく(今は逃げてしまえばよかったのにと思います)、摩耗していく心は、次第に死にたいという気持ちにシフトされてしまいました。
それが、最初の傾向の鬱病だったと思います。
面倒を見てくれといった当の本人は好き勝手をしていたのに、私はこのザマです。
ですが、そう言われたのならばやり遂げねばと当時の自分は思い込んでいたのだと思います。
どんどん悪化していく体調に、心の状態。
言うだけで助けてくれない親。
私が自分のことを完全に病気だと知るのは、そう遠くない話でした。
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―――…今にして思えば、祖母がそれほどまでに女性ながら、家柄というものに執着していたのも、本人に他に誇るものがなかったからかもしれません。
だからこそ、一番解りやすい『家柄』というものにこだわってしまったのかもしれないと、推論としてはそう思ってはいます。
当時は本当に地獄でしたが、祖母が亡くなってからこう振り返ってみると、彼女はその点で非常に孤独な人だったのかもしれませんね・・・。
本当は、そんな祖母をずっと愛してくれていた祖父が彼女の傍についていてくれて、それを窘め続けていてくれれば、祖母は一人っきりにならなかったのかなとも、思ってしまいます。
祖父は結局、両親の結婚にも最後は納得したうえで、父の家柄なども気にせず、平等に扱ってくれていました。
残念ですが、そんな優しい祖父は私がまだ幼い頃に先に逝ってしまいましたが・・・。
祖母は私を病気にした原因の一人ではありましたが、最期を看取った後こうやって考えるとその点においては可哀想という言葉になってしまうのかもしれません。
ですが、私の兄の事を考えてしまうと、命の価値と家柄にすがるしかなかった祖母の気持ち。
・・・それを秤に乗せてしまうと、ますますやるせない気持ちにはなるのです。
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